こんにちは、ホクガク事務局です!
北海道大学のフロンティア入試を検討している方の中には、
「課題論文って、普通の小論文と何が違うの?」
「総合問題ではどんな力が問われる?」
「TypeⅡの数学・理科は一般選抜とどう違う?」
「実際にフロンティア入試で北大に入った先輩は、どんな対策をしていた?」
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
北海道大学のフロンティア入試では、書類審査だけではなく、第2次選考を通じて
知識を使って考える力、自分の考えを論理的に説明する力、志望分野への興味・意欲
などが確認されます。
ただし、TypeⅠとTypeⅡでは、選考の内容が大きく異なります。
TypeⅠ
第1次選考にて、出願書類(調査書・個人評価書・自己推薦書・諸活動の記録等)を評価します。また、各募集単位が定める評価軸に沿って、高等学校等教員が評価(コンピテンシー評価)し、その結果を選考に用います。
第2次選考は、課題論文・総合問題・面接などを通して、思考力や判断力、表現力、志望分野への適性などを評価します。なお、全ての募集単位で「大学入学共通テスト」を活用します。
TypeⅡ
第1次選考は、従来の総合型選抜より作成負担を軽減した出願書類にて評価します。
第2次選考は、数学・理科を中心とした適性試験と面接によって、基礎的な知識・技能ともに、思考力・表現力等を評価します。
この記事では、令和9(2027)年度北海道大学フロンティア入試の募集要項と、
北海道大学が公開している令和8年度の適性試験をもとに、課題論文・総合問題・適性試験の特徴をわかりやすく紹介します。
北海道大学フロンティア入試とは?の記事はこちら
また後半では、実際にフロンティア入試で北海道大学へ入学した先輩たちのメッセージも紹介します。
詳しい内容は北海道大学「令和9年度フロンティア入試学生募集要項」から
TypeⅠとTypeⅡでは第2次選考が大きく違う

まず押さえておきたいのが、「TypeⅠ=課題論文」「TypeⅡ=総合問題」というわけではないということです。
令和9年度のTypeⅠでは、志望する学部・学科によって、
- 総合問題
- 課題論文
- 面接
など、第2次選考の内容が異なります。
一方、TypeⅡでは第2次選考として、数学・物理・化学などの「適性試験」と面接が実施されます。
そのため、フロンティア入試対策では「総合型選抜の勉強をする」とひとまとめにするのではなく、自分が受験する学部・学科で何が課され、どのような力が評価されるのかを確認することが非常に重要です。
北海道大学「フロンティア入試(総合型選抜)」公式ページはこちら
TypeⅠの課題論文・総合問題では何を問われる?

令和9年度のTypeⅠについて、第2次選考の筆記試験の有無と、北海道大学が示している評価内容を整理すると次のようになります。
| 学部・学科等 | 第2次選考の筆記 | 主に評価される力 |
|---|---|---|
| 理学部 地球惑星科学科 | 総合問題 | 科学的基礎知識・論理性・判断力 |
| 医学部 医学科 | 課題論文 | 論理性・読解力・思考力・判断力など |
| 医学部 保健学科 5専攻 | なし | 面接で意欲・目的意識・論理性・協調性・適性・基礎学力などを評価 |
| 歯学部 | 課題論文 | 読解力・論理的思考力 |
| 工学部 応用マテリアル工学コース | 課題論文 | 科学的知識・論理的思考力・洞察力・作文能力など |
| 工学部 社会基盤学コース | 課題論文 | 正確な科学的知識・論理的思考力・洞察力・作文能力 |
| 獣医学部 | 課題論文 | 論理性・読解力・思考力・判断力・科学的知識など |
| 水産学部 | なし | 面接で論理的思考力・目的意識・積極性・協調性・コミュニケーション能力などを評価 |
ここで重要なのは、単なる文章力だけを測る試験ではないということです。
特に理学部・工学部・獣医学部では、理科などの基礎知識を使いながら考察し、それを文章で説明する力まで求められています。
理学部 地球惑星科学科の総合問題

理学部地球惑星科学科では、第2次選考で総合問題と面接が課されます。
北海道大学の募集要項では、総合問題について、
科学的基礎知識・論理性・判断力を問うとされています。
つまり、用語や公式を暗記しているだけではなく、
与えられた情報を整理する
↓
高校で学んだ科学的知識を使う
↓
根拠を示しながら考える
↓
妥当な結論を導く
という力が重要になります。
地学を履修しているかどうかだけではなく、
物理・化学などを含めた科学の基礎を使って未知の現象を考える練習をしておきたいところです。
医学部医学科の課題論文

医学部医学科では、第2次選考として課題論文と面接が行われます。
課題論文では、
- 論理性
- 読解力
- 思考力
- 判断力
などが評価されます。
さらに面接では、MMI(Multiple Mini-Interview)形式を含む個人面接が実施されます。
そのため課題論文対策でも、「文章を読んで内容をまとめる」だけで終わらせるのではなく、
なぜそう考えられるのか
他の立場から見たらどうなるのか
自分ならどのように判断するのか
まで考える練習をしておくことが重要です。
歯学部の課題論文
歯学部では、課題論文によって読解力と論理的思考力が評価されます。
さらに面接では、積極性・表現力・論理性・協調性・適性などが確認されます。
課題文を正確に読み取り、「自分の意見」だけでなく、その意見に至る根拠を筋道立てて説明できることが重要です。
課題論文と面接を別々に考えるのではなく、考えを論理的に整理し、相手に伝える力を一貫して鍛えることを意識しましょう。
工学部の課題論文では「科学的に考える力」が重要
工学部の応用マテリアル工学コースや社会基盤学コースでは、課題論文を通じて、
- 正確な科学的知識
- 論理的思考力
- 洞察力
- 作文能力
などが評価されます。
いわゆる国語の小論文とは少し性格が異なり、
数学・物理・化学などの知識を土台として科学的に考え、その考察を文章として伝える力
が求められます。
普段の数学・理科の学習でも、
「なぜこの式になるのか?」
「この現象はどの法則で説明できるのか?」
「条件が変わったら結果はどう変わるのか?」
と考え、自分の言葉で説明する習慣をつけておきましょう。
獣医学部の課題論文では科学的知識も問われる
令和9年度からフロンティア入試を実施する獣医学部では、第2次選考として課題論文と面接が行われます。
課題論文では、
論理性・読解力・思考力・判断力に加えて、科学的知識
も評価されます。
そのため、「動物が好き」「獣医師になりたい」という志望意欲だけではなく、
生物・化学などの基礎知識を使いながら科学的に考える力も必要になります。
高校理科をしっかり学びながら、生命科学・動物医療・公衆衛生など、獣医学に関係するテーマについて自分なりに考える経験を増やしておきましょう。
保健学科と水産学部は課題論文・総合問題なし
TypeⅠだからといって、すべての募集単位で課題論文や総合問題が課されるわけではありません。
令和9年度の医学部保健学科5専攻と水産学部では、第2次選考は面接です。
そのため、これらの学科では課題論文の練習よりも、
- なぜ北海道大学なのか
- なぜその分野を学びたいのか
- 高校時代に何を経験し、何を考えたのか
- 大学で何を学びたいのか
- 将来どのように社会へ貢献したいのか
といった内容を掘り下げ、
自分の言葉で筋道立てて説明できるようにすることが重要です。
TypeⅡは「課題論文」ではなく数学・理科の適性試験

続いてTypeⅡを見ていきましょう。
TypeⅡの第2次選考では、適性試験と面接が実施されます。
令和9年度の募集要項では、適性試験は基本的に、
前半60分
計算を主とする数学の基本問題
後半120分
数学・物理・化学などの論述問題
という構成になっています。
どの選択問題を解くかは学部・学科によって異なります。
特に後半の選択問題は、
最終的な答えだけでなく、そこに至る考え方や理由を説明する論述形式
であることが大きな特徴です。
北海道大学も、選択問題については多様な解答を想定しているため、正解例ではなく「出題の意図」を公表しています。
北海道大学公式|TypeⅡ適性試験の過去問題・解答例はこちら
TypeⅡの共通数学はどんな問題?
令和8年度の共通問題・数学では、次の分野が出題されました。
| 問題 | 主な内容 |
|---|---|
| 1 | 微分・定積分、導関数、極値 |
| 2 | 階差数列、数列の極限 |
| 3 | 平面ベクトル |
| 4 | 対数関数、2次不等式 |
| 5 | 座標を用いた平面図形 |
共通数学で重視されているのは、特殊な発想というよりも、
高校数学の基本事項を正確に理解し、短時間で処理できる力です。
そのため、「フロンティア入試だから特殊な数学を勉強する」というより、
教科書レベルから標準問題までの知識を穴なく身につけることが重要です。
TypeⅡの選択数学は「初見の設定に知識を使えるか」がポイント
令和8年度の選択数学では、
- 三角関数を含む関数の微分・積分
- 空間ベクトル
- 集合と命題・2次関数
などが扱われました。
例えば空間ベクトルでは、内積や一次独立性といった基本事項を使うだけではなく、
立体を適切な断面で捉え、平面の問題へ帰着させる力まで評価されています。
つまり、
公式を知っているだけではなく、見慣れない設定の中で、その公式や考え方を使えるか
がポイントです。
TypeⅡの物理は「公式暗記」だけでは対応しにくい
令和8年度の物理では、
- 問4:力学
- 問5:波動
- 問6:電磁気
が出題されました。
力学
お椀の内壁に立て掛けた棒を題材として、
力のつり合い・モーメント・法線力・接触条件などを使って考える問題です。
単に公式へ数値を代入するのではなく、物体にどのような力が働いているかを整理し、条件式を組み立てる力が問われています。
波動
光の屈折・反射・干渉などが扱われました。
特に干渉については、北海道大学が出題の意図として、
公式を丸暗記しているかではなく、干渉条件を自分で導けるかを見る問題
だったことを示しています。
電磁気
ホール効果を題材として、
ローレンツ力、電場とのつり合い、ホール電圧などについて考える問題が出題されました。
最後には、金属と半導体の電気伝導の違いをもとに、ホール効果を利用した磁場計測について考察する問題も含まれています。
TypeⅡの物理では、
「なぜこの公式が使えるのか」「どのような現象が起きているのか」を説明できるところまで理解する
ことが大切です。
TypeⅡの化学は知識・計算・考察をバランスよく問われる
令和8年度の化学では、
- 気液平衡・蒸気圧・気体
- 周期表・元素の性質
- 遷移元素
- 有機化合物・構造異性体
- 高分子
などが扱われています。
北海道大学が示した出題の意図を見ると、
- 化学の基礎計算を正確に行えるか
- 有効数字を正しく扱えるか
- 周期表と元素の性質を結びつけられるか
- 遷移元素と典型元素を比較できるか
- 有機化合物の構造変化を理解できるか
といった力が重視されています。
化学でも単純暗記だけではなく、
「なぜこの性質を示すのか」「他の元素・物質とは何が同じで、何が違うのか」まで考える学習
が重要です。
TypeⅠ・TypeⅡに共通する対策のポイント
基礎知識を「説明できる知識」にする
数学・理科の公式や用語を覚えるだけではなく、
「なぜ?」
「どうしてこの式になる?」
「条件が変わったらどうなる?」
と自分に問いかけながら学習しましょう。
フロンティア入試では、
知識そのものだけでなく、その知識を使って考える力が重要です。
答えまでの過程を書く練習をする
課題論文やTypeⅡの論述問題では、最終的な答えだけでなく、そこに至った考え方も重要です。
数学・物理・化学でも途中式を省略しすぎず、
「何を根拠にこの式を立てたのか」まで書く練習をしておきましょう。
自分の興味を掘り下げる
フロンティア入試では面接も重要です。
科学ニュース、医療、環境、宇宙、数学、物理など、志望分野に関係する話題に触れたときには、「面白かった」で終わるのではなく、
なぜ面白いと思ったのか?
もっと知りたいことは何か?
自分ならどのように調べるか?
まで考えてみましょう。
フロンティア入試で北大に入学した先輩たちは何をしていた?
北海道大学理学部の公式広報では、実際にフロンティア入試で北海道大学へ入学した学生のインタビューが公開されています。
ここからは、数学科と物理学科の2人の先輩を紹介します。
数学科の先輩|「好き」を自分から深く学ぶ
フロンティア入試で北海道大学理学部数学科へ入学した方の記事も参考にしてみましょう!
北海道大学理学部公式「自主ゼミで仲間と学ぶ喜び」全文はこちら
高校2年生の頃、学校の授業だけではなく、自分なりの方法で数学を学び進めたことで、
「自分は数学が好きだ」とはっきり気づいたと紹介されています。
大学入学後は自主ゼミにも参加し、仲間と数学書を輪読しながら学びを深めています。
さらに、フロンティア入試で数学科への進学が決まったことを活かして、
1年生の段階から数学に打ち込むことができたと話しています。
先輩の話から学びたいこと
「総合型選抜のために特別な実績を作る」ことばかりを考えるのではなく、自分が本当に興味を持っていることを、自分から深く学んでいくことが大切です。
「なぜ数学が好きなのか」
「もっと何を知りたいのか」
「大学では何を学びたいのか」
まで考えていくことが、自己推薦書や面接の内容にもつながっていきます。
物理学科の先輩|科学雑誌を読み、気になったことを調べる
さらにフロンティア入試で北海道大学理学部物理学科へ入学した方の方の記事も非常に参考になります。
北海道大学理学部公式「身の回りのことを物理で説明する魅力」全文はこちら
高校時代はすべての授業をしっかり受けることに加えて、
フロンティア入試対策も兼ねて科学雑誌を読んだり、関心を持ったことについて自分で調べたりしていた
と紹介されています。
特に参考になるのが、興味のあることを自分で調べる習慣です。
科学雑誌やニュースを読んだときも、
↓
疑問を持つ
↓
自分でさらに調べる
↓
自分なりに考える
↓
人に説明してみる
というところまで取り組めば、課題論文・TypeⅡの論述問題・面接のすべてにつながります。
中高生に対しても、大学に入ると視野が広がるため、さまざまなことに興味を持ってほしいというメッセージを送っています。
合格者たちに共通するのは「自分の興味を自分で深めていること」
2人の先輩の話を見ると、共通しているのは、
フロンティア入試のためだけの特別な活動をしていたわけではないということです。
数学が好きなら、自分から数学を深く学ぶ。
物理や科学に興味があるなら、科学雑誌を読み、気になったことを自分で調べる。
つまり、
自分が興味を持ったことに対して、「もっと知りたい」と自分から行動すること
が大切です。
これは、北海道大学がフロンティア入試で重視している、
主体的な行動を起こす力や、新しいものごとへチャレンジする意欲
ともつながっています。
フロンティア入試対策で困ったらホクガクへ
ここまで見てきたように、北海道大学のフロンティア入試は、
「総合型選抜だから学力試験が簡単」という入試ではありません。
TypeⅠでは課題論文・総合問題・面接などを通して、知識だけではなく思考力・表現力・志望分野への適性まで確認されます。
TypeⅡでは、高校数学・理科の基礎学力を土台としながら、
初めて見る問題を考え抜き、その過程を説明する力が求められます。
北海道大学受験専門オンライン家庭教師「ホクガク」では、北大を目指す高校生・受験生を対象に無料個別相談を実施しています。
「自分の学科では何を対策すればいい?」
「過去問を見たけれど、どのレベルまでできればいいかわからない」
「課題論文・面接と一般選抜の勉強をどう両立すればいい?」
「そもそもフロンティア入試を受験するべきか迷っている」
という段階からご相談いただけます。
現在の学力や志望学科、これまでの活動などを確認しながら、
北海道大学合格までに何を優先して進めるべきか
を一緒に整理します。
まとめ|フロンティア入試では「考えて説明する力」を鍛えよう
北海道大学のフロンティア入試では、TypeⅠとTypeⅡで試験形式が大きく異なります。
TypeⅠでは、志望する学部・学科によって課題論文・総合問題・面接などが課されます。
TypeⅡでは数学・理科を中心とした適性試験があり、基礎的な問題だけでなく論述形式の問題にも対応する必要があります。
しかし、両者に共通して大切なのは、
覚えた知識を使って考えること。
自分の考えを根拠とともに説明すること。
興味を持ったことを自分から深く調べること。
です。
フロンティア入試で北海道大学へ入学した先輩たちも、高校時代から自分の興味を掘り下げ、大学入学後もその興味をさらに発展させています。
フロンティア入試だけの特殊な勉強を始める前に、まずは
高校で学ぶ数学・理科を「自分で説明できるレベル」まで理解すること
から始めてみましょう。
そして、「自分の場合はどこから対策したらよいのかわからない」という方は、ぜひホクガクの個別相談をご活用ください。
参考資料
- 北海道大学「令和9年度フロンティア入試学生募集要項」
- 北海道大学「フロンティア入試(総合型選抜)」
- 北海道大学「フロンティア入試TypeⅠ実施学部・学科等各種情報」
- 北海道大学「フロンティア入試TypeⅡ 適性試験問題及び正解・解答例等」
- 北海道大学「フロンティア入試TypeⅡ 第2次選考(モデル問題・面接等)」
- 北海道大学理学部「自主ゼミで仲間と学ぶ喜び」
- 北海道大学理学部「身の回りのことを物理で説明する魅力」
※この記事は、北海道大学が公表している令和9(2027)年度フロンティア入試学生募集要項、令和8年度TypeⅡ適性試験問題・出題の意図、北海道大学理学部公式広報記事等をもとに、2026年8月時点の情報をまとめています。選抜方法等は変更される場合がありますので、出願の際には必ず北海道大学公式の最新の学生募集要項をご確認ください。